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子ども時代の“マルトリートメント”とうつの再燃


最近、子どもへの不適切な関わりを示す“マルトリートメント”という言葉が使われます。

このテーマに関して書かれた『子どもの脳を傷つける親たち』 友田明美:著という本が有名なので、ご存知の方も多いと思います。

上記の本のように、マルトリートメントがどのように脳の構造的変化をもたらすのかという研究がありますが、今回はうつの経過に対する影響をみた論文をご紹介します。

子ども時代のマルトリートメントによる脳皮質の構造を介したうつ再発への影響

うつ病に罹患している110人が対象となり、脳のMRI画像と2年間の状態が調査されました。このうち35人が再発せず、75人が再発を経験していました。

結果として、Childhood Trauma Questionnaire(子ども時代心的外傷質問票)というアンケートで測定した①マルトリートメントの存在と②うつ病の再発傾向とは関連していました(マルトリートメントがあるとうつ病が再発しやすいという傾向がありました)。

また、脳の構造的変化(特に右側の“島皮質:とうひしつ”の体積減少)が①と②両方と関連しており、①→脳の変化→②という関係が推定されました。

因果関係について証拠があると述べるためにはさらに詳細な研究が必要とは思われますが、子ども時代に受けるマルトリートメントがいかに長期間にわたる影響を及ぼすかについて再認識することが重要であると思われました。

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