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世界一やさしい(右脳型)問題解決の授業 渡辺健介:著


先日、ご紹介した「世界一やさしい問題解決の授業」の続編で、今度は右脳のはたらきとされている「ヒラメキ」を重視した内容となっています。

前著と共通して、イラストが多く、言い回しが平易であり、読み易くなっています。

著者の本に一貫している姿勢でもありますが、人は概念をコンテクスト(文脈、物語性)を通して理解するという気づきを生かし、この本も全体が物語となっています。

自分たちの学校のマンネリ化した運動会を「どうしたら生徒にとっても親にとっても、1年で最も興奮し、10年後も20年後も話さずにはいられないような楽しい運動会」にするか、という目標に向かって生徒たちが取り組む物語が描かれています。

本書では右脳型問題解決に関連して、問題に接したときの姿勢を以下のように分類しています。

①カチコチくん:過去の考え方や常識にとらわれて、頭がカチコチに固まってしまっているタイプ。

②ひとりよがりちゃん:自分の技術や感性を信じて、ひたすら突き進むタイプ。

③ねぇ、ねぇちゃん:アイデアを自分で考えようとせず、「ねぇ、何が欲しい?」と他人の意見を聞いてばかりいるタイプ。

④かかえすぎくん:途中で誰かにアイデアについての意見をもらうことなく、自分が完ぺきだと思うまで抱え込んでしまうタイプ。

⑤右脳型問題解決キッズ:常識やこれまでのやり方を疑い、常により良い方法がないかを考え、かたちにしようというエネルギーに満ちあふれています。

⑤の右脳型の問題解決を行うためのステップとして

Step1:ペインポイント(不満や悩みの種)をつかみ、問いをたてる

Step2: アイデアを広げて、絞る

Step3: カタチにし、テストする

以上が提示されており、それぞれのステップ内で具体的な手法が説明されています。

紹介されているシートやメソッド(方法)には、観察・体験シート、ワクワク問いたてシート、ボックスチャレンジ、ランダム法、いいね!マップ、ズラシ法、常識を破る法、学びキャッチャーがあり、問題解決を使った課題の取り組み以外でも、日常的に少し試してみようかという気になりました。

前著のような論理性とは少し離れたやり方として、楽しい問題解決への導入になり得る本であると思われました。

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