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妊娠までの婚姻期間と統合失調症の危険率の関連


子癇前症という妊娠中に高血圧や蛋白尿が出現し、母体や胎児の健康に大きな影響を与える病態があります。これらの妊娠に合併する病気について、妊娠までの婚姻期間との関連が指摘されることがあります。

今回は、妊娠までの婚姻期間:Duration of Marriage(DoM)と統合失調症のリスクとの関連を調べた研究をご紹介します。

統合失調症の独立危険因子としての妊娠時婚姻期間

アメリカにおける研究で、1964年から1976年に生まれた90000人以上の出生児が調査の対象となりました。

結果として、妊娠までの期間(DoM)が4年以上の場合に比較して、2年未満では50%、2年以上4年未満では30%の発症リスク増加を認めました。

さらにDoMが5年増すごとに14%のリスク低下が認められ、DoMは統合失調症発症に対する保護因子として考えられました。

これらはすでに指摘されている危険因子である父の年齢や父母の精神疾患等の影響を除外した上での結果であり、DoMは統合失調症発症に対する独立した危険因子であることが示されました。

論文中でも触れられているように、最近、統合失調症を炎症性疾患(免疫反応の異常)としてとらえる傾向が増しています。DoMの短縮が胎児における免疫システムの異常と関連している可能性についてさらなる検討が期待されます。

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