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ストレスで肥満が生じるしくみ


“ストレスで太る”というのは良く知られている事実ですが、そのしくみについてはあまり分かっていません。

しばしば誤って信じられているのは、ストレスによって肥満が生じるような行動(例:お菓子の食べ過ぎ等)が増えるために、肥満が生じるという内容です。

この誤解は、ストレスにさらされている動物では、カロリー摂取が低い状態であっても内臓脂肪が増加するという事実によって否定されています。

ストレス⇒肥満には行動を介さない何らかのメカニズムが存在するというのが、現在の主流の見方と言えます。

今回は、その候補の一つとして脳の扁桃体という部位と骨髄を介したメカニズムの存在を証明しようとした研究をご紹介します。

扁桃体の代謝活性は単独で内臓脂肪の蓄積に関連する

264人のPETとCTの画像が比較されました。BMIという肥満の指標や内臓脂肪の厚さ、扁桃体や骨髄の活動性が比較されました。

結果として、扁桃体の活性が単独で内臓脂肪の蓄積と関連していること、そのおよそ半数では骨髄の活性が介在する要素として考えられることが示されました。

特に、扁桃体は慢性ストレスによる活動性の亢進が指摘されている部位で、不安障害やPTSDの病態との関連が示されています。

このような肥満のメカニズムを紐解く試みで、実際に存在する“食べてないのに太る”という状態の内実が分かるかもしれません。

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