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発達障害の診断を正確に行うために視線の動きに注目する


昨日は、発達障害の診察(診断)で、検査以前の注目すべき(あるいは、気になってしまう)所見として「視線の動き」があることを説明しました。(記事:「発達障害」の検査、視線の動きについて

本日は、診断を正確に行う工夫の一部として「視線の動き」の記録を利用した研究をご紹介します。

中国の研究で、5178人の幼児から選ばれた軽度から中等度の自閉症スペクトラム障害(ASD)と診断されている21人が研究の対象となりました。

特に、この研究で対象とされた「軽度から中等度」のASDでは診断の正確さが問題になることがあり、今回定型発達との差異を精査することにより、より正確な診断のための手がかりを得ようとしました。

結果として、ASDの幼児では運動機能、個人的・社会的関わり、言語、遂行機能、実際的思考の領域で低下を認め、さらに発声に付随する表情変化に対する認識が欠如している点が指摘されました。

上記のうち、特に「表情変化の認識」に関しては、“eye tracking technique 視線の動きを記録する技術” が用いられ、客観的に把握可能な所見として記録されました。

診断に難渋することの多い「軽度の」ASDであっても、“eye-gaze pattern” と言われる相手の表情認識の際の視線の動きが通常と異なることが多く、診断の助けになると言います。

このような客観的に把握可能な(多くの方に妥当な根拠として説明可能な)所見が指摘されることで、少しでも発達障害の検査をめぐる “正確性 vs 簡便性(迅速性)”のジレンマが軽減されることが望ましいと思われました。

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