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抗ADHD薬は長期間投与した時点でも有効なのか?


薬物療法を長い間続けたときの影響について尋ねられることがあります。

例えば ①身体的な副作用 ②慣れが生じて効果がなくなってしまわないのか(効果の持続性)についての質問が良くきかれます。

今回は②について、2年以上の期間にわたって抗ADHD薬を続けた後でも、効果が持続しているのか、薬剤をやめたグループとの差異を観察した研究を紹介します。

治療開始から2年以上経過したADHDにおける薬物の持続的な有益性

メチルフェニデートによる治療を2年以上継続している8~18歳のADHD患者94人を、治療を継続するグループとゆっくりと偽薬に置き換えて4週間の経過観察期間をおくグループとに分けました。

結果として、治療を続けたグループの方がADHD-RSという代表的な指標で平均4.6ポイント低く、またCGI-Iという別の指標でも、治療を中止したグループで、より高い割合で悪化を認めていました。

上記のように、全体的には薬物を長期間継続したあとでも、効果が持続しているのではないかと推測される結果でした。しかし、短期間の経過では、単なる離脱による悪化である可能性もあると考えられます。さらに長期に渡る経過を観察したいところだとも思いました。

また、論文中に指摘されていることですが、部分的には悪化がなく薬剤をやめられている方も存在することを考えると、定期的な症状評価と必要性の検討が望ましいと思われました。

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