大まかに言って、循環器疾患や認知症予防のためには、血中の中性脂肪について以下のように言われてきました。
“The Lower the Better 低ければ低いほど良い”
中性脂肪は血管の状況を悪化するリスクでしかないという、悪役として扱われてきた感があります。
しかし、この点が最高齢のグループ(80歳以上)では大きく異なるかもしれません。
最高齢グループにおける中性脂肪の逆説
中国における研究で、平均94.0歳の930人が調査の対象となりました。
中性脂肪の値と認知機能、日常生活の活動性、体力低下の程度、死亡率が5年に渡って調査されました。
結果として、中性脂肪の1mmol/Lの上昇は、認知機能・活動性・体力の低下が生じる割合を20%減少させることが示されました。また、死亡率についても中性脂肪の値が高い方が低いことが分かりました。
中性脂肪は栄養の指標としても使われる値で、年代を重ねるに従い、血管への負担よりも別の要素が重要になってくるのかもしれません。
どの歳から、中性脂肪の意味が逆転するのか、詳しいところは分かりませんが、一つの血液検査の指標でも年代によって評価を変える必要性を感じました。