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精神病と内因性マリファナ様物質


人間の体内には元々マリファナの受容体を刺激する物質(内因性マリファナ様物質)が備わっていて、生殖・妊娠・痛覚・胎生期/出生後の発達・食欲・記憶・気分等の様々な領域で影響すると言われています。

さらに統合失調症をはじめとする様々な精神病性の疾患では、その内因性マリファナ様物質の働きが大きくなっていることが、様々な研究で示されています。

今回は、精神病性疾患(以下、精神病)で、内因性マリファナ様物質にかかわるしくみ(以下、ECS:Endocannabinoid System)がどのように変化しているのかを検証したメタアナリシス(複数の研究を統合してより信頼性の高いデータを得ようとする研究)を紹介します。

Measuring Disturbance of the Endocannabinoid System in Psychosis A Systematic Review and Meta-analysis

精神病におけるECS障害の測定

18の研究が分析の対象となりました。

226人の参加者を含む5つの研究では、精神病患者における脊髄液中の内因性マリファナ様物質濃度が、健常者より高くなっていました。