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遺伝的リスクスコアと自殺の可能性


複数の場所における遺伝子変異による疾患への罹りやすさを数値化したものを、“Polygenic Risk Scores:遺伝的リスクスコア” と呼びます。

一つの変異では説明できないリスクの程度を、複数の変異を合わせて説明することで、個人の発症リスクの推測に役立ちます。

自殺の可能性と関連の深い遺伝子変異は、単独の疾患ではなく、多くの疾患にまたがっていると言われます。

今回は自殺のリスクを、複数の疾患について遺伝的リスクスコアを調べ、どのようなスコアと関連が深いか示した研究をご紹介します。

精神疾患罹患者の自殺におけるゲノムワイド関連解析、及びうつ病リスクスコアとの関連

うつ病・躁うつ病・統合失調症に罹患した自殺の例とそうでない例について、広範な遺伝子座を分析し、遺伝的リスクスコアを計算しました。

複数の疾患単位を超えた遺伝子変異の関連が示されましたが、中でもうつ病へのなり易さを示すリスクスコアが最も、自殺のリスクが高いことが分かりました。

うつ病のリスクスコアとは言っても、様々な疾患でこのスコアが高い場合が存在し、診断とは独立した意味を持ちます。

自殺のリスクを考えたとき、本人の訴えを注意深く傾聴することが最も重要ですが、例えば、どのような疾患であってもこの数値を客観的に把握することで自殺リスクの参考となる可能性が考えられました。

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