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依存症に対する認知症薬の効果


認知症薬のしくみの一つとして、脳内の神経伝達物質の一つであるアセチルコリンを増やす役割があります。

このしくみによって認知能力の低下を改善、あるいは進行を抑制するのですが、最近この働きは、依存症の治療にも有効であるとして注目されています。

今回は、認知症薬の中でも、脳内のアセチルコリンを増やす効果と、ニコチン受容体に結合するしくみも持っているガランタミンという薬剤の麻薬依存症に対する効き目について調べた研究をご紹介します。

メサドンで症状が安定しているコカイン中毒に対する、ガランタミンの二重盲検試験

メサドンという薬剤で中毒症状自体は安定しているコカイン中毒患者120人が対象となりました。

①ガランタミン+コンピュータ上での認知行動療法

②偽薬+コンピュータ上での認知行動療法

上記のグループを比較したとき、治療後6か月間のフォローアップで、薬剤の使用がなかった割合は①:②=81%:59%で、ガランタミンを使用した場合の方が大きく改善していました。

このような麻薬の依存だけではなく、依存症では共通の依存に陥る脳内のメカニズムが存在すると言われており、アルコールやタバコ等についても、ガランタミンなどの認知症薬が有効ではないかと言われています。

依存症の中心症状に効果の期待できる薬剤は非常に限られており、新たな治療選択肢の登場が期待されます。

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