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思春期のチームスポーツは将来の精神疾患を予防する?


子どもの頃の身体的虐待や親のアルコール乱用などの逆境体験は、多くの精神疾患の危険因子となることが知られています。

また、定期的な有酸素運動などの運動習慣はうつ病の発症リスクを減らすなど、運動が精神疾患の予防に有効であることがしばしば指摘されてきました。

今回は、逆境体験のある子どもで、思春期におけるチームスポーツの体験の有無が、後の精神衛生にどのような影響を及ぼすのかを調べた研究をご紹介します。

9668人の子どもが調査の対象となりました。このうち4888人 (49.3%)が1つ以上の逆境体験をもっていると報告されていました。

これらの子どもが、思春期においてチームスポーツを経験した場合、成人後の精神衛生が改善されるというデータが示されました。

具体的には、チームスポーツを経験していた場合、うつ病と診断される割合が、経験のない場合と比較して、0.76倍に、また、不安障害と診断される割合が、同じく0.70倍となることが示されました。

以上の結果をみて、元々チームスポーツへの参加を好む傾向を持っていることがうつ病のリスクを下げている可能性について検討されるべきであると思われました。

しかし、実際にチームスポーツが何らかの良い影響をもたらしている可能性もあるかもしれません。

素因と習慣の交絡(相互的な影響)を完全にさけることは困難と思われますが、チームスポーツへの参加の影響を長期的な視点でみることは興味深いテーマであるように感じられました。

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