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担当医の共感が糖尿病患者の長期的予後を改善する


精神疾患において医師・患者関係が治療の効果に大きな影響を及ぼすことは異論のないところだと思われます。

関係性のどのような点が、治療にとってプラスになるのかについては、様々な要素があると考えられます。

今回は、身体疾患(糖尿病)においても、医師・患者関係が重要であるのか、特に担当医が示す「共感」に注目して調べた研究を.ご紹介します。

プライマリケア医師の共感と、2型糖尿病患者の心血管イベントや全ての原因を含めた死亡率との関連

イギリスにおける前向きコホート研究といわれる手法の研究で、2型糖尿病の患者867人を10年間にわたって調査しました。

共感に関する質問紙(consultation and relational empathy measure questionnaire)を、最初の担当医の診察から一定期間後に記入し、その後の糖尿病患者の合併症として多い心血管イベントやその他すべての原因による死亡率を比較しました。

担当医の共感の指標が高いと、その後長期的にみて、心血管イベントの危険率が低下し、すべての原因を含む死亡率が低くなることが示されました。

担当医の共感性と身体疾患の予後改善との間にどのような要素が介在して、上記のような結果が得られるのか(担当医の共感性→患者の治療への積極性→治療効果の向上など?)についてさらに分析が必要であると思われます。

しかし、長期的視野に立った治療効果を向上させるために、医師は患者に対してより共感的に接する必要があることは事実であるようです。

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