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統合失調症と社会的活動性


統合失調症の症状が顕在化した時期から後の経過を、急性期→慢性期のように表現することがあります。

急性期には幻覚や妄想が活発ですが、その後には自閉や感情表現の鈍化、遂行機能の低下が目立つ慢性期が続きます。

その慢性期には、大きく社会的機能が低下し、社会との関わりが少なくなることが頻繁に起こります。

今回は、統合失調症でみられる社会的な活動性の変化と影響する要因について調べた研究をご紹介します。

統合失調症における社会的活動の1年半の経過

統合失調に罹患した65人について、知能指数、日常生活技能、社会機能、精神症状、社会的活動性などを平均1年半の経過で調査しました。

結果として、知能指数、日常生活技能、社会機能(特に個人間のコミュニケーション能力)が高いほど、社会的な活動性も高いという関係が示されました。

そして、それとは反対に精神症状が重症であるほど、社会的活動性は低下していました。

統合失調症において、一旦急性期症状が落ち着いてから訪れる慢性期に、いかに社会との関わりを再構築できるのかが重要となってきます。

上記のような関連は当然のように思われる結果ですが、社会的活動性がどのような要素に支えられて向上するのか、その実質的な内容を知ることは支持や援助のポイントを考える上で大切であると思われました。

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