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PTSDの経過と血液検査値について


多くの精神疾患に関して全身性の炎症が背景にあるのではないかという話が以前からあります。

今回は特にPTSDに関して、炎症の指標となるバイオマーカー(生体反応を示す検査値)を調べ、後の経過を予測できないか調べた研究をご紹介します。

PTSDの慢性化に関する危険性予測と外傷体験直後のTNFα、IFNγ濃度低下との関連

心的外傷に当たる体験をして病院の救急を受診した505人が調査の対象となりました。

まず、体験から平均3時間後の血液サンプルが採取され、様々な炎症に関する検査値が測定されました。

そして、その後PTSDの症状に関する経過を1,3,6,12週後に評価しました。

PTSDの症状経過は大きく3つのタイプに分けられ、慢性化タイプ(chronic)、反発タイプ(resilient)、回復タイプ(recovery)が存在することが分かりました。

結果として、症状が長く継続する慢性化タイプでは炎症(免疫反応)に関するバイオマーカ-のうちTNFα(ティーエヌエフ:腫瘍壊死因子アルファ)とIFNγ(インターフェロンガンマ)の2つが外傷体験直後低下していることが示されました。

これらの因子が低くなるしくみまでは分かりませんが、少なくともこれらの値が、今後のPTSD症状の慢性化リスクを示す数値として考えられ、治療方針や対応の参考となる可能性があると考えられました。

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