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若年者における精神状態悪化の臨床的経過について


児童期や思春期等の若年において、精神状態の悪化が生じることがあっても、特定の精神症状に至らず、一時的な状態として治まっていくことがあります。

このように治まっていく場合と、症状が重くなり医学的な介入が必要になる場合とでは、どのような要素が異なっているのでしょうか?

今回は、そのようは若年者の精神状態悪化の経過を左右する要因について調べた研究について説明させてください。

相談施設を来所した不安や気分変動・精神病症状をともなう相談者の臨床的ステージ移行

オーストラリアの研究で、精神状態についての相談を受け付ける2つの施設を来所した2254人(平均18.18歳 女性59%)が調査の対象となりました。

①Stage1a:特定の症状が現れていない状態

②Stage1b:弱い症状のみの状態

③Stage2:精神疾患の診断をみたす状態

上記のようにステージを分けると、①⇒②の移行は36.9%、②⇒③の移行は12.8%でした。

そして、ステージが悪化方向へ移行する背景として、躁状態や精神病(幻覚や妄想)状態の経験、自傷行為、睡眠リズムの乱れなどがありました。

以上のような結果から、来談した時には軽度である精神状態の悪化でも、重篤な精神疾患に移行することがありえることや、背景として特に注意すべき要素があることを意識しながら経過を慎重に見守っていくことが重要であると思われました。

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