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抗ADHD薬が脳の白質に構造的影響を与えるかもしれない


ADHD(注意欠陥多動障害)の治療薬として日本でも頻用されているメチルフェニデート(商品名:コンサータ)について、子どもに対する使用が脳の白質の微小構造に影響を与えるかもしれないという論文がありました。

メチルフェニデートで治療された脳白質のMRI拡散画像

ADHDの診断を受けている少年50人(10~12歳)と大人の男性48人(23~40歳)について調査されました。

4ヶ月のメチルフェニデートによる治療を受けた後で、偽薬との対比が行われました。

MRIの画像で、脳内の微小な構造変化が分かるfractional anisotropy :拡散異方性値(FA値)という指標を脳の複数部位で求めました。

結果として、少年のメチルフェニデートで治療を行った場合でのみ、脳の白質で微小な構造変化が生じたと思われるFA値の変化がありました。

つまり、メチルフェニデートは大人に対する使用では脳の微小構造に影響を与えないのに、子どもの場合だけ変化を生ずることになります。

この結果が脳の機能や実際の生活にどの程度影響を与えるのかは不明であり、さらに長期的な影響も分からないため、慎重に解釈する必要があると思われます。

しかし、特に神経が発達途上にある子ども時代においてメチルフェニデートの使用が何らかの恒常的影響を及ぼす可能性があり、より適応を厳密に判断する必要があると思われました。

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