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統合失調症の症状と免疫反応の関連


認知症をはじめとする様々な精神疾患と免疫反応(炎症)の関連が示されています。

今回は、統合失調の症状経過とごく一般的な炎症の指標として使われるCRPや白血球数(好中球や好酸球数等)の関連について調べた研究についてご紹介します。

急性期の初発精神病と統合失調症における免疫細胞とC反応タンパク(CRP)

129人の初めて精神病症状を発症した患者(未治療)と、対照として294人の健常者が調査されました。

検査項目としては白血球数や分画(白血球の割合を種類ごとに示したもの)やCRP(日本で反応の指標として使用される血中のタンパク質)、コルチゾール等で、同時に症状評価(PANSS)が行われました。

結果として、治療前の時点で精神病症状がある場合は、好中球、単球、CRPが高く、好酸球が低い傾向があり、これは治療を6週間行った後、症状の軽減と関連して好中球、CRPは減少、好酸球は増加を認めました。

以上のことより、精神病症状と免疫反応とは関連しており、病状を示す指標として価値を持つ可能性があると考えられました。

上記のような血中成分は外来でも簡便に測定でき、患者さんの負担も少なくて済みます。精神病の病勢を検討する上で客観的な指標となるのであれば、メリットが大きい知見であるように思われました。

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