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自閉症スペクトラムに合併しやすい疾患について


自閉症スペクトラム障害には、社会性やコミュニケーションの障害等の一次性の障害(障害そのものの特性から生じる障害)とは別に、続発的に生じる気分障害等の二次障害があります。

また、障害とは関連性が不明である併存疾患と言われるものもあり、様々な障害や精神疾患を伴い易いことが知られています。

今回は、特に因果関係や影響等の関連性は問わずに、自閉症スペクトラム障害の併存疾患について、どのようなものが多いのかを調べたメタ・アナリシス(複数の研究を統合した分析)について説明します。

最終的に基準を満たした96の研究が分析に含まれました。

結果として、自閉症スペクトラムとの併存疾患として以下のような疾患が認められました。

・注意欠陥多動障害(ADHD)28%

・不安障害 20%

・睡眠‐覚醒障害 13%

・行動障害 12%

・うつ病 11%

・強迫性障害 9%

・双極性障害 5%

・統合失調症スペクトラム 4%

以上のように、自閉症スペクトラムの併存疾患は非常に広範囲に及んでおり、必ずしも自閉症スペクトラムから二次性に生じたという解釈が成り立たないものも含まれます。

一次的な障害よりも、これらの併存疾患についての苦痛が大きいことも多く、ご本人の苦痛を理解したり、治療を有効に行うためにも併存しやすい疾患について意識しながら診療にあたることが大切であると思われました。

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