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過食症(神経性大食症)と循環器疾患の関係


過食症と心臓疾患との関連は以前から指摘されており、過食症のエピソードがあった場合にはその後心臓発作等の急激な症状の変化に注意が必要です。

今回は過食症で入院した後、10年以上の経過を追って長期的な循環器疾患との関連を調べた研究をご紹介します。

神経性大食症と循環器疾患発症・死亡の長期的リスクの関連

カナダにおける研究で、818人の過食症で入院した女性(平均28.3歳)とその他の理由(妊娠関連)で入院した女性(415891人)を比較しました。

12年間追跡した結果として、

①過食症で入院した場合はその後、循環器疾患発症のリスクが明らかに(10倍程度)高くなる。

②過食症の場合は循環器疾患による死亡が4.75倍になる。

具体的には、心筋梗塞や動脈硬化(による様々な症状)、伝導障害(不整脈や心電図の波形異常につながる)が多く、過食症の入院後2年間の心筋梗塞の発症は21倍程度になることが示されました。

過食症は体重増減や行動変化による日常の障害のみではなく、死亡につながる重いリスクを伴う疾患であることが分かります。特に入院が必要となるような重症のエピソードの後、数年間は心臓疾患のリスクが高く、慎重な観察が必要であると思われました。


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