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rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)でジェスチャーが改善するか?


昨日は統合失調症の感情認知から予後を予測する内容でしたが、同様に統合失調症では広く社会的交流が障害されることが知られています。

例として、非言語的なコミュニケーションの一つである身振り・手振りが減少することが指摘されています。

今回はこの手振り(hand gesture)の減少が rTMS(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation:反復経頭蓋磁気刺激療法)によって改善されるかをみた研究をご紹介します。

1回の経頭蓋磁気刺激療法が統合失調症における手のジェスチャーを改善する

統合失調症に罹患した20人(右利き)の患者さんと、対照として健常者20人について検査が行われました。

以下の方法が比較されました。

①脳の左側下前頭回への活動促進的な間欠的シータ波による刺激

②右側下頭頂小葉への活動抑制的な継続的シータ波による刺激

③偽刺激

以上の刺激を行った後の、手のジェスチャーをビデオに撮って調べ、もう一つはコインを移動させる課題を用いて、手先の器用さの変化を調べました。

その結果、上記のうつ②でのみ、手のジェスチャーと手先の器用さに関して改善がありました。

しくみとして②の方法により、脳の左右の働きの「競り合い」が調整され、バランスが改善されることで、手指運動の改善を認めた可能性が考えられました。

コミュニケーションにおける言葉以外のジェスチャー等は、言葉そのものよりずっと情報量が多いと言われており、円滑な社会的活動に必要な要素と言えます。

上記のような意思の疎通を支える仕組みがさらに分かることで、働きを改善すべき脳の部位や治療方針の検討に役立つと思われました。


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