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認知行動療法の併用や薬の継続はうつ病の再燃を防ぐのに有効か?


統合失調症については、初回で短期のエピソード以外では抗精神病薬の服用をできるだけ長期間続けること(生涯にわたることも)がすすめられます。

しかし、うつ病においては、(様々なケースは考えられますが)うつの症状が軽快した後は薬剤を中止することが検討される場合がまだ多いと思われます。

今回、ご紹介するのは薬剤を継続した場合とそうでない場合とでの再発率の違いと、最初の寛解の時に認知行動療法をしていた場合とそうでない場合とでも違いがあるのか調べた研究です。

治療時の認知行動療法の有無とうつ病寛解後の再発予防

うつ病と診断され寛解に至った292人(平均45.1)が調査の対象となりました。

この研究は主に2つの問いに答えることが目的であると考えられます。

①うつ病が寛解した後にも薬剤を続けたかどうかで、再発率に違いがあるか?

②認知行動療法を寛解までの治療に行ったかどうかで、再発率が異なるか? つまり、認知行動療法に継続的な再発予防までの効果があるのか?

結果として、まず①については明らかに、薬剤を継続していたほうが再発リスクが低下することが示されました(約75%⇒48%)。

しかし、②に関しては明らかな違いがみられず、寛解導入までの治療に認知行動療法を行ったかどうかは、少なくとも大きな再発リスクの違いをもたらしてはいませんでした。

上記の結果で、どのような場合であっても、症状が軽快した後に薬剤を続けるべきであると断言することは難しいと思われます。

しかし、繰り返されている重度のうつ病に関しては、症状が現れている期間だけではない長期の投与を検討する方が再発は防げると患者さんに伝える必要性を感じました。


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