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健康的な食生活と脳の体積


昨日は多価不飽和脂肪酸を多く含む魚類摂取が、脳の体積維持に役立つ可能性について説明しました。


健康的な食生活が認知症の予防に役立つことを示唆する論文は多いのですが、脳の体積など具体的な構造への影響について触れた内容は少なく、今回は食事の、総合的な健康度評価として知られる指数の影響がどのように脳に現れるのか調べた論文をご紹介します(少し以前の論文で2018年のものです)。


長期的食事の質と海馬体積の関連


調査の対照は459人(開始時の平均年齢59.6歳、19.2%が女性)で、11年間の経過観察が行われました。


食事内容の健康度を測定するために用いられたのは“Alternative Healthy Eating Index 2010 (AHEI-2010) ”と呼ばれるもので、果物・野菜・穀類・甘みのある飲料・豆類・赤身肉・ひき肉・魚・塩分等のスコアを算出して、総合的に食事内容を評価しようとするものです。


結果として、AHEIのスコアが高いほど、(脳の構造の中でも認知能力と関連が深いと言われる)海馬の体積が大きくなっていました。


具体的には最高スコアが110ポイントのうち、8.6ポイントの増加で海馬の体積が92.5立方ミリメートルの増加が観察されたとのことです。


この体積増加が機能的にどの程度の意味を持つのかは不明ですが、食事の健康度が脳の一部の体積にかなり直接的な影響を与えていることを示唆する結果となっていました。


#認知症

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