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双極性障害(1型)で抗うつ薬を長く続けることに大きな意味はない?


※双極性障害の1型、2型は通常ローマ数字が使われますが、今回は算用数字とさせてください。

双極性感情障害には躁が明確な1型と、うつ症状が主で躁がはっきりしない2型があります。


今回は1型の双極性障害において、抗うつ薬を長く続けることにどれくらい意味があるのか(気分障害のエピソードを予防できるのか)調べた研究をご紹介します。


Duration of Adjunctive Antidepressant Maintenance in Bipolar I Depression

双極性障害(1型)における抗うつ薬継続期間による効果の違い


1型の双極性障害に罹患していて、うつ症状を発症した178人を以下のように分けて、抗うつ薬の継続期間による次の気分障害エピソードに対する影響を調べました。


1)通常の双極性障害の治療(気分安定薬や抗精神病薬)+抗うつ薬52週間

2)通常の双極性障害の治療(気分安定薬や抗精神病薬)+抗うつ薬8週間


結果として、以下の内容が示されました。


・全体的には、次の気分エピソードまでの期間はグループ間の差異がはっきりしませんでした。


・躁とうつ症状で別にみると、次の躁やうつ症状のエピソードが生じた割合に差異があったのですが、統計的には意味のある差異ではありませんでした。


要約:『双極性障害(1型)のうつ症状に使用する抗うつ薬は長期間継続しても大きな差異を生じない』


1型か、2型か明確には分かりにくいこともあるので、どの程度この結果を臨床に生かすか難しい内容であると思われました。



もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/

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