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循環器系の危険因子が認知能力に与える影響(性別による違い)


高血圧や喫煙等の循環器系(心臓や血管)の危険因子が認知能力低下の要因となることが指摘されてきました。


今回は、循環器系の危険因子が認知能力低下に与える影響を男女に分けて調べた研究をご紹介します。


中年期の循環器系危険因子が認知能力低下に及ぼす影響の性差


メイヨークリニックが行った加齢に関する研究資料に基づき、研究開始時で50~69歳の1,857人を対象としています。


認知能力(記憶・言語・遂行機能・視空間認知)と循環器系の状態(冠血管疾患・不整脈・心不全)や危険因子(高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満・喫煙歴)に関する観察を15ヶ月ごとに行い、その経過を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①男性の方が女性よりも循環器系の状態や危険因子の割合が多くなっていました(83.4% vs 74.5%)。

②横断的にみて、冠血管疾患と喫煙歴は、視空間認知低下と関連していました。

③多くの循環器系の状態(冠血管疾患)や危険因子(糖尿病・脂質異常症)と認知能力低下との関連は女性の方が強くなっていました。


つまり、“循環器系の危険因子は男性の方が頻度が高いが、危険因子の影響は女性の方がより大きい”と言えそうです。


女性ホルモンが血管に保護的に働く等、循環器系の危険因子に関して女性の方が有利な条件が多いですが、危険因子がある時の影響は女性の方が大きいと予測する必要性を感じました。

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