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抗ADHD薬で交通事故を減らせるか?


昨日に引き続いて、抗ADHD薬の実際の効果について考えたいと思います。


昨日は、学習上の効果に関するスウェーデンの研究でしたが、本日は生命に関わる結果をもたらす交通事故に関して調べた研究を紹介します。


抗ADHD薬の使用と交通事故リスクの関連


アメリカにおける研究で、民間の保険情報を基にしたADHDの罹患者2,319,450人(平均32.5歳、51.7%が女性)が調査の対象となりました。


結果として、以下の内容が示されました。

①男性では抗ADHD薬を服用している期間の方が38%交通事故のリスクが低くなっていた。

②女性でも同様に42%のリスク低下があった。

③さらにADHD罹患者における交通事故の22.1%が抗ADHD薬の服用によって防げると推定された。

ADHD(注意欠陥多動障害)では、不注意、衝動性、落ち着きのなさの他、高リスクを好む傾向、怒りのコントロール困難、物質依存等が生じることも多く、交通事故の発生リスクとの関連が示されてきました。


抗ADHD薬の服用に関しては頭痛・吐き気・食欲不振・不眠等の副作用が生じる場合もあり、適応には慎重を要します。


しかし、(生命に関わることを優先的に考慮するとき)ADHD症状が明らかで、軽度のものを含めて事故を繰り返している場合には、抗ADHD薬の服用は望ましい選択であると考えられました。


#ADHD #発達障害

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