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抗精神病薬を変える理由について


精神医療では、主な疾患で第一選択(first line)とされる薬剤がいくつか存在するのですが、治療中に様々な理由で薬剤を変更します。


今回は、統合失調症や双極性、統合失調感情障害等でしばしば使われる抗精神病薬について、変更の理由を調べた研究をご紹介します。


Reasons for Antipsychotic Treatment Switch: A Systematic Retrospective Review of Prescription Records and Prescriber Notes

抗精神病薬を変更する理由


統合失調症や双極性障害、統合失調感情障害における270例の抗精神病薬の変更を分析しており、その中には195人が含まれています。


変更の理由や変更前後の大まかな薬剤の種類について、分析を行い、傾向を把握しようとしました。


結果として、以下の内容が示されました。


・薬剤変更の理由のうち最も多かったのは副作用(不耐性)で45.7%、効果なし(悪化含む)17.6%が続いていました。


・最も多い薬剤(剤形)の変更は、経口薬から別の経口薬で、主な理由は副作用(不耐性)となっていましたが、その他持効性注射剤から経口薬11%(理由は、副作用・嗜好性・保険適応)、経口薬から持効性注射剤10.7%(理由は服薬不遵守)となっていました。


要約:『抗精神病薬の変更は副作用(不耐性)によることが最も多く、異なる剤形への変更についてはそれぞれ理由に特徴がある』


海外のデータですが、日本での実践上の感覚とほぼ一致していました。しかし、持効性注射剤の使用頻度や保険制度の問題などで、微妙に異なる点がありました。


もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/

rTMS治療:

YouTubeチャンネル(オンライン講座):https://www.youtube.com/channel/UCd8RS50q_Ol_x82AL9hhziQ

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