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抗精神病薬評価の短縮/簡略化について


薬剤の評価は効果だけではなく、副作用についても慎重に評価して、有効性があり、副作用の少ない薬剤のみを認可するのが望ましいと思われます。


しかし、薬剤認可までの煩雑な過程により、もっと早く入手できるはずの薬剤の発売が遅れ、患者さんの利益が損なわれている面も指摘されています。


今回は、薬剤評価のための試験を分析し、期間や評価法に関する簡素化の可能性について検討した論文を紹介します。


抗精神病薬の臨床試験におけるエンドポイントの設定と試験期間の関連


14,219人の参加者を含む32のランダム化臨床試験が分析の対象となりました。


結果として、以下の内容が示されました。

①薬剤が有効である場合、統計的には第1週でプラセボと実薬との違いが認められている。

②症状評価の標準的指標であるPANSS:Positive and Negative Syndrome Scaleについては、簡略版との一致が第4週で93.0%、第6週で97.7%となっている。


以上のようなことから考えると、少なくとももう少し臨床試験の経過観察期間を短縮し、評価の方法も簡素化することが可能であると思われました。


もちろん、デメリットがないならば、薬剤評価は慎重であるに越したことはないと思います。


しかし、入手の遅れによる健康面での損失等を考えると、バランスを検討した上での短縮/簡素化はあり得るのではないかと思われました。


#薬物療法

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