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摂食障害の入院治療を高カロリーで開始した結果


神経性食思不振症(拒食症)の入院治療では、多くの場合経口摂取と輸液を用いて、摂取カロリーを上昇させる試みがなされます。


この場合、急激な身体的変化に関する合併症を懸念し、なるべく低カロリーからゆっくりと摂取カロリーを上昇させたほうが良いのではないか、という考えがあります。


今回は、高カロリーで始めて、比較的急速に摂取カロリーを上げた場合の結果について調べた研究をご紹介します。


神経性食思不振症の入院時摂取量最適化に関する短期的評価


12~24歳の神経性食思不振症(非典型例も含む)で入院した患者が研究の対象となりました。


方法は以下の2通りです。

①1日摂取量を2000kcalから始め、毎日200kcal上昇

②1日摂取量を1400kcalから始め、隔日200kcal上昇


結果として、①の方法で行っても、②と比較して合併症は増えず、入院日数は平均して4日少なくなっていました。


適正体重に近づけることだけが入院の目標ではないのかもしれません。しかし、教育的意義などを別にして身体的な側面からのみ捉えるのであれば、入院の長期化による弊害なども考慮して、高カロリーからのスタートは検討して良い選択肢であると思われました。


#摂食障害 #神経性食思不振症

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