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新しい抗精神病薬(ルマテペロン)の統合失調に対する効果


統合失調症の精神症状を改善する抗精神病薬には多くの種類がありますが、それぞれに調節の目標とする受容体が異なっており、薬剤によって効果の性質が異なります。


また、副作用の出現のしかたにも特徴があり、特に警戒されているのが重篤な結果に結びつきやすい循環器系・内分泌系の合併症です。


また、頻度の高いものとして手の震え、姿勢や表情の硬さ、意識せずに生じてしまう繰り返しの運動等、運動機能に影響する副作用もあります。


他にも、便秘などの消化器系の副作用もありますが、常に全体として副作用は最小限に、効果を大きくしたいという期待があります。


今回は、新たに治験が進められている抗精神病薬である Lumateperone ルマテペロンについての論文をご紹介します。


統合失調症治療に対するルマテペロンの有効性と安全性


450人の統合失調症(急性期)に罹患した方たち(平均42.4歳、77.1%が男性)が調査の対象となりました。


まずは、治療開始時点と4週後についてPANSSと呼ばれる統合失調症の症状評価尺度を比較してみると、ルマテペロン42mgでは-4.2、28mgでは-2.6となっており、用量に依存して、症状改善の効果が大きくなっていることが示されました。


また、臨床的に明らかな運動機能上の副作用、循環や内分泌(ホルモン)への影響を認めることも少なく、副作用の少ない薬剤であることが確かめられました。


現在でも多くの種類の存在する抗精神病薬ですが、今回のルマテペロンのように副作用が少なく、効果の比較的大きな薬剤が選択肢に加わると患者さんにとって利益が大きいと考えられました。


#統合失調症 #薬物治療


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