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気分安定薬は双極性障害の死亡率全体を低下させるかもしれない


昨日は、双極性障害の気分変動が血管内皮機能の変化を介して、循環器疾患のリスクを上昇させている可能性についてお伝えしました。


今回は、循環器疾患を含めて死亡率全体と、双極性障害に対する気分安定薬の使用がどのように関連するのかを調べた研究をご紹介します。


Mood stabilizers and risk of all-cause, natural, and suicide mortality in bipolar disorder: A nationwide cohort study

気分安定薬と双極性障害における全死亡率、自然死、自殺による死亡率


台湾における研究で、全国的健康保険データ Taiwan's National Health Insurance Research Databaseを元にしており、25,787人の双極性障害患者が対象となっています。


双極性障害における気分安定薬の使用と、全死亡、自然死、自殺に関する死亡率 standardized mortality ratio (SMR)の関連を調べています。


結果として、以下の内容が示されました。


・調査の起点となる入院治療から5年の経過観察期間で、気分安定薬の使用は、全死亡、自然死による死亡率を低下させていました(例:自然死による死亡率のハザード比0.58倍)。


・気分安定薬の中では、リチウムを使用した時の死亡率が最も低くなっていました(例:自然死による死亡率のハザード比0.37倍)。


要約:『双極性障害に対する気分安定薬の使用により、自然死の死亡も低下させる可能性がある』


自殺などの気分変動から惹き起こされる事象のみではなく、身体疾患による死亡も低下させる可能性が考えられる内容でした。



もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/

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