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男性ホルモンと感情の反応性


中年期以降、老年にさしかかる時期に現れる体調不良や気分の落ち込み等について、男性の場合であっても、ホルモンの異常が影響している「男性の更年期」が話題になることがあります。


今回は特に、感情の反応性について、長期の濃度変化を反映するものとして毛髪中のテストステロン濃度との関連を調べた研究をご紹介します。


高テストステロン濃度における画像への反応


46人の男性について、通常ポジティブな反応を引き起こす画像とネガティブな画像を見せて、脳の働きが分かる検査(機能的MRI)を行いました。


感情の反応には、扁桃体、眼窩前頭皮質、島皮質といった脳の部位が関与していると言われます。


今回の検査では、毛髪中の男性ホルモン(テストステロン)濃度が高い時には

①ネガティブな画像に対する島皮質の反応増加

②ポジティブな画像に対する眼窩前頭皮質の反応増加

を認めていました。


つまり、男性ホルモン濃度が高い時には、感情の反応が強く現れる可能性があります。


通常、精神科では神経伝達物質の量を調節する薬剤で薬物治療をおこないますが、このように男性の場合であっても、感情の変化についてホルモンの影響を考慮する必要性を感じました。

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