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睡眠障害は長期に渡る認知症リスクの上昇をもたらすか?


睡眠の質の悪化と認知症との関連はしばしば指摘されています。


今回は、かなり以前(2015)の論文になりますが、自覚的な睡眠障害と認知症リスクの関連を長期間のデータで分析した結果をご紹介します。


男性における自己報告の睡眠障害とアルツハイマー病リスクの関連


50歳のとき(1574人)と70歳のとき(1029人)の自己報告で睡眠状況を調べました。


50~90歳の認知症に関する病歴を調べ、70・77・82歳のときにはアルツハイマー病の原因物質と言われるアミロイドβの血漿中濃度を調べました。


これらを“Cox回帰分析”と言われる手法で分析したところ、睡眠障害があった場合には認知症全体で33%、アルツハイマー病だと51%のリスク上昇があることが示されました。


肥満の有無や生活様式等の付随する要素の調整によって、多少は異なった値が得られていますが、概ね睡眠状況の影響は大きいと判断される結果となっています。


この研究の後に発表された研究においても、睡眠と認知症との関連は様々な側面から認められています。


明らかな因果関係は不明ですが、睡眠の質に気を配ることは、毎日の生活のためだけではなく、長期的な脳のコンディションにとっても良いようです。

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