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瞑想のPTSDに対する効果


昨日は、瞑想の効果に関して、脳の機能的変化をMRI画像で調べた研究をご紹介しました。


瞑想は不安やストレス軽減に効果があり、その影響は脳の部分同士の良好な接続によって確認できるという内容でした。


瞑想は、うつ症状や不安のみではなく、特定の疾患を対象とした治療効果の検証に入っているという例をご紹介します。


PTSDの治療効果に関する心的外傷に焦点を当てない瞑想と暴露療法の比較


軍隊での経験によってPTSDとなった退役軍人203人が調査の対象となりました。


瞑想と暴露療法を行うグループが68人、PTSDに関する教育を行うグループが67人でランダムにグループ分けを行いました。


それぞれの療法(12回)は12週間行われ、終了後にPTSDの症状を図るスケール: Clinician-Administered PTSD Scale (CAPS)で治療前との比較が行われました。


結果として、瞑想と暴露療法は、教育的方法(対照)と比較して明らかに症状の軽減が大きく、瞑想と暴露療法の改善はほぼ同等となっていました。


現在まで、PTSDに対する非薬物的治療は暴露療法(心的外傷に関連する苦手な環境に自らを暴露して徐々に慣れていく方法)が最も効果が大きいと言われ、標準的とされてきました。


しかし、曝露療法は心的外傷に関連する記憶に触れることになり、ご本人にとって大きな負担となることも事実で、症状悪化のリスクを考えると実施するのに抵抗のある方法とも言えます。


もし、実際に瞑想のような心的外傷に焦点を当てない方法で効果があるならば、安全に実施できる方法(そのようなイメージのある方法)の方が診察の中で実施しやすく、メリットが大きいと思われました。


#PTSD

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