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薬は処方どおりに飲めないものである(ノンアドヒアランスの問題)


精神科・心療内科で処方される抗うつ薬や抗精神病薬・気分安定薬等は、毎日の服用を継続して2週間位から効果が出始めることが多く、薬を処方どおりに飲む動機を維持しにくいという問題があります。


今回は、薬がどのくらい処方通りに飲まれていないのか(服薬不遵守:ノンアドヒアランスがどのくらい発生しているか)か調べた研究をご紹介します。


Primary medication nonadherence in a large primary care population

Observational study from Manitoba

広域治療単位における初期医療の服薬不遵守


カナダのマニトバ州全域の治療記録を元にした研究で、20万人以上の患者集団における91,660の処方を分析の対象としています。


患者の人口統計学的な特徴や薬剤の種類、処方の性質等により、どのようにノンアドヒアランス(服薬不遵守)が起こるのか調べています。


結果として、以下の内容が示されました。


・比較的ノンアドヒアランスが低いのは抗うつ薬13.7%で、高いのは降圧薬30.3%でした。


・感染症や不安等の症状が分かりやすいものでは13.7~17.5%、検査で分かった病気等の症状がないものでは21.2%~30.0%でした。


・人口統計学的データや臨床的特徴等から、ノンアドヒアランスの傾向を見分けることはできませんでした。


要約:『薬を処方どおりに飲まない傾向は、薬剤の種類によっても異なり、症状を実感しやすいかによって左右される』


言われてみれば納得できる結果でしたが、服薬の説明方法などに注意を喚起される内容でした。


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