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血液中の遺伝子発現を調べることとにより自殺のリスクが分かるかもしれない


うつ病の時、どのような兆候が自殺につながるのかを把握し、自殺の兆候を早期にとらえて対応につなげることが重視されています。


今回は、うつ病の状態で、さらにどのような変化(遺伝子発現)があると自殺のリスクが高いのかを調べた研究をご紹介します。


うつ病における自殺と関連する血液中バイオマーカー(生物学的指標)の可能性


うつ病+自殺/うつ病+他の死因を含む45人が対象となりました。


血液と脳背外側前頭前野(DLPFC)の標本を採取し、その遺伝子発現(遺伝子がどれくらいタンパク質に変換されているか、またはその過程で生じるRNA等が生じているか)について調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①うつ病+自殺/うつ病+他の死因を比較すると、血液中の発現で変化を示していたのはPER3, MTPAP, SLC25A26, CD19, SOX9, and GAR1と呼ばれる遺伝子でした。

②脳と血液中の両方で変化があったのは、SOX9,PER3,TERF1,CD19の4つでした(例:SOX9は減少、PER3は血液と脳の両方で増加していました)。


つまり、“うつ病の中でも、特に自殺の完遂につながるような血液や脳の遺伝子発現があるのかもしれない”ということです。


うつ病の経過中に自殺の兆候を捉える上で、血液検査も参考となる可能性が期待される内容でした。


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