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軽躁を呈する病態と他の精神疾患の共通病因


日常生活や社会適応に大きな支障を来さないまでも、気分の高揚や活動性の亢進等の躁状態を呈する場合を“軽躁”と表現します。


このような双極性感情障害Ⅱ型等で認められる“軽躁”に関して、病因を調べた時に他の疾患との共通点があるのか調べた研究をご紹介します。


軽躁、双極性障害、他の精神疾患に関する病因の関連


スウェーデンにおける研究で8,568組の双子(18歳)が対象となりました。


遺伝要因や環境要因について、他の疾患との関連を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①軽躁は遺伝要因を持っていて、男性で59%、女性29%と推計されました。

②軽躁と双極性障害は中等度に共通する遺伝的要因と環境的要因をもっていると考えられました。

③多遺伝子リスクスコアにおいては、統合失調症やうつ病とも共通の要因がありました。

つまり、“軽躁は、双極性障害については遺伝や環境要因、統合失調症やうつ病については多様な遺伝子の傾向において共通の要素がある”と言えそうです。


軽躁と双極性障害の“躁”とは本質的に異なるのではないかという議論もあります。


(今回のように、遺伝的要因や環境要因を双子を用いて確認したときには)軽躁の病態は、双極性障害を含む他の精神疾患と病因的に多くの共通要素を持つようです。

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