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高血圧治療薬の中にはうつの予防となるものがある


以前から、循環器疾患とうつ病との関連性が指摘されてきました。


循環器疾患の治療のために頻用される高血圧治療薬の中には、うつ病のリスクを上げるのではないかと言われてきたものがありますが、実際に高血圧治療薬とうつ病のリスクについてのデータは少ないのが現状です。


今回は、大規模なデータを用いて、高血圧治療薬の各薬剤に関してうつ病のリスクを調べた研究をご紹介します。


高血圧治療薬とうつ病のリスク


デンマークの健康情報を用いた研究で、高血圧治療薬を用いる400万人近い人たちが対象となりました。


対象者のうち、大まかには100万人がアンジオテンシン関連薬剤、100万人をやや超える人々が利尿剤、80万人がそれぞれカルシウム拮抗薬とβブロッカーを使用していました。


結果として、以下の内容が示されました。

①2種のアンジオテンシン関連薬(エナラプリル、ラミプリル)3種のカルシウム拮抗薬(ベラパミル、アムロジピン、ベラパミル合剤)、4種のβブロッカー(プロプラノロール、アテノロール、ビソプロロール、カルベジロール)においては、10~25%のうつ病リスク減少が認められました。

②他の高血圧治療薬では、うつ病のリスク減少は認めなかったものの、増加もありませんでした。


しくみとしては、アンジオテンシン薬の抗炎症作用等が想定されているようですが、少なくとも高血圧治療薬の中にはなんらかの作用で(随伴する要因によるものであるかもしれませんが)、うつ病に対し予防的な効果を持つものがあるのかもしれません。


#うつ病 #高血圧

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