レベチラセタム(イーケプラ)による精神症状悪化について



抗てんかん薬であるレベチラセタム(イーケプラ)は、その安全性の高さや有効性で知られており、最近全身性のけいれん発作に対する使用頻度が増えている薬剤です。


日本でも小児への使用を含めて、てんかん発作の既往のある場合に、処方リストの中にバルプロ酸と並んで(あるいはそれ以上に)良く見かけるようになった薬剤です。


これには、けいれん発作に対する有効性や安全性の高さ以外にも理由があり、保険適応はないのですが、不安や気分の変動をはじめ、多くの精神症状にも有効とされています(否定的なデータもあり)。


中でも、有効な薬剤の少ないトゥレット症候群や自閉症スペクトラムの行動障害に対して有効という意見があり、てんかんと発達障害のある場合にその機能的障害も含めて処方されていると思われる場合もあります。


上記のように汎用されるようになったレベチラセタムですが、今回は負の側面に関する症例報告をご紹介します。


Levetiracetam—Through a Psychiatric Prism

レベチラセタムー精神科的見地から


症例は10歳のクウェート人の男児で、てんかんと自閉症について診断されています。てんかん発作に対して1日量でバルプロ酸を1000mg、攻撃性等の精神症状に対してリスペリドン1mgが処方されていましたが、最近、けいれん発作の悪化を認め、薬剤調整を行うことになりました。

イーケプラ500mgを服用するようになり、けいれん発作はコントロールできたのですが、まもなく精神運動性の興奮、自傷行為、介護者に対する攻撃を認めるようになりました。

これに対して、リスペリドンの増量やアリピプラゾールの追加も行われましたが、治まらず、最終的にはイーケプラからトピラマートへの切り替えを行うことによって安定しました。


上記のように、けいれん発作を鎮めるために使用されているケースで、かなり抗精神病薬を増量しても鎮静が得られない場合があり、その場合にはイーケプラの効果を諦めるほうが効果的なやり方である可能性を検討するべきだと考えさせられました。


特に希死念慮や自殺企図がプラセボに比較して2倍程度に上昇した試験結果(添付文書「その他の注意1.」)もあり、有効な薬剤ではあるものの、精神的な副作用について十分注意したいと思いました。


#自閉症 #てんかん

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