2種以上の抗うつ薬に反応がない場合を、治療抵抗性うつ病 treatment-resistant depression と呼ぶことがあります。
今回は、以前から注目されているケタミンの皮下注射による効果を調べた研究をご紹介します。
Efficacy and safety of a 4-week course of repeated subcutaneous ketamine injections for treatment-resistant depression (KADS study): randomised double-blind active-controlled trial
4週間の経過で評価したケタミン反復皮下注射の治療抵抗性うつに対する有効性と安全性
ミダゾラムを比較対照とした二重盲検(被験者と治療者の両方が実薬か知らない方法)のランダム化比較試験(対象者をランダムに振り分けた効果の対照を設定した試験)です。
一定の用量を用いた場合(68人)と、体重等によって用量を変動させた場合(106人)両方で、週2回4週間の治療経過で効果を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・用量を変動させた方法ではケタミンが対照よりも効果が大きくなっていました(19.6% vs 2.0%)。
・副作用は少なく、精神症状と血圧上昇がありましたが、2時間以内に消退しました。
要約:『ケタミンの反復的皮下注射は治療抵抗性うつ病に有効である可能性がある』
静脈注射よりも実施が容易であり、海外でこの方法が認可される可能性が期待されました。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
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