昨日は、比較的強度の高い運動を行った方が、片頭痛を減らす上で有効であるという内容をお伝えしました。
しかし、まだ予防の方法として広く知られているとはいえない状況です。
今回は、片頭痛で通院中の患者のうち、運動習慣を生活に取り入れている人がどのくらいいるのか調べた発表(the American Academy of Neurology (AAN) 2021 Annual Meeting in April)をご紹介します。
片頭痛の診断を受けている4,647人の患者が含まれ、このうち4分の3は、1ヶ月に15日以上の片頭痛がひどい日のある慢性片頭痛でした。
参加者に片頭痛の性質や運動の頻度、睡眠、うつ、ストレス、不安について質問を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
・WHOで推奨されている週に150分以上の運動を行っている人は、全体の27%でした。
・推奨されている運動量を行っていない片頭痛患者ではうつ、不安、睡眠障害の割合が多くなっていました(例:運動を行っている人と行っていない片頭痛患者で、うつを訴えている人の割合を比較すると、25% vs 47% )。
要約:『慢性の片頭痛患者で運動を行っている人は全体の4分の1程度で、運動を行っていない場合にはうつや不安等を伴いやすい』
原因と結果の関係は不明ですが、片頭痛と運動レベルの低下との間には、悪循環の関係が生じる可能性が考えられました。
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