まだ議論のあるところですが、磁気や電気で物理的に脳を刺激する方法により、注意力や遂行能力の一部が改善することが指摘されてきました。
今回は、経頭蓋交流電流刺激(tACS)と呼ばれる方法で脳を刺激することにより、長期と短期の記憶が改善するかを調べた研究をご紹介します。
Long-lasting, dissociable improvements in working memory and long-term memory in older adults with repetitive neuromodulation
反復的なニューロモジュレーションによる効果の分離できる短期記憶と長期記憶の継続的な改善
健忘や軽度認知障害のある65~88歳の150人が対象となりました。
電流を伝える端子が付いたキャップを装着し1回20分の電気刺激を4日間連続で行うことにより、記憶にどのような効果が得られるのかを調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・参加した人の85~90%が記憶の改善効果を実感しました。
・下頭頂皮質を低頻度(4Hz)で刺激するとワーキングメモリ(短期記憶)が改善しました。
・背外側前頭前皮質を高頻度(60Hz)で刺激すると長期記憶が改善しました。
・記憶の改善効果は1ヶ月後も持続していました。
要約:『経頭蓋交流電流刺激(tACS)は、記憶の改善効果があり、刺激部位や刺激法によって効果が異なる』
アルツハイマー病等による重度の記憶障害にも応用が可能か、今後の検証が期待される内容でした。
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