統合失調症に対する持効性注射剤の効果

以前から、統合失調症に対する月に1回程度の注射剤の効果が確認されてきました。
今回は、アジア系民族を対象として、注射剤の長期にわたる効果(入院回数など)を調べた研究をご紹介します。
Association of Long-Acting Injectable Antipsychotics and Oral Antipsychotics With Disease Relapse, Health Care Use, and Adverse Events Among People With Schizophrenia
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2794734
統合失調症に対する持効性注射剤の抗精神病薬(以降、LAIA: Long-Acting Injectable Antipsychotics)と経口薬の再発・医療機関使用・副作用との関連
香港における研究で、統合失調症に罹患した70,396人(37,200人が女性、平均44.2歳)が対象となりました。
16年間に渡る疾病記録を元に、入院の回数や自殺企図・副作用などについて調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・LAIAの方が経口薬よりも入院回数・自殺企図が少なくなっていました(全入院37%減、精神科的入院48%減、統合失調での入院47%減、自殺企図44%減)。
・副作用は大きな変化なし(LAIAの方がやや減少)。