記憶力の改善や記憶力低下の抑制を目的とするトレーニングが行われることがありますが、臨床上意味のあるような改善効果があるかについては、専門家の意見は一致していないのが現状と思われます。
今回は、脳に対するトレーニングの効果を知る目的で、ランダム化比較試験を行った研究をご紹介します。
Memory enhancement in healthy older adults using a brain plasticity-based training program: A randomized, controlled study
脳可塑性に基づくトレーニングによる記憶向上
60歳以上の健常な高齢者182人をトレーニングによる介入を行うグループと行わないグループに分けて、経過を観察しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・処理速度やワーキングメモリー等のトレーニングを行ったところ、トレーニングの課題に関連した能力の向上と一般化した能力の改善を認めました(効果の目安としてeffect size=0.25)。
・能力の改善はトレーニングから3か月経過しても、維持されていました。
要約:『集中的な脳機能改善を目的としたトレーニングは健常高齢者の認知能力を改善させる可能性がある』
学歴などの要素をマッチングさせ比較した対照試験であり、能力が一般化して改善を示している点で、トレーニングの意義を感じさせる内容でした。
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