運動は全身の炎症を低下させ、うつ症状のレベルも軽減させる可能性が考えられています(炎症とうつ症状との関係については議論があります)。
今回は、様々なレベルの運動とうつ症状、炎症マーカー(炎症があるときに濃度が高くなる物質)との関連について調べた論文をご紹介します。
Exercise reduces depression and inflammation but intensity matters
運動はうつ症状や炎症を軽減するが、強度が問題である
61人の大学生が参加し、学期の間の運動レベル、うつ症状、炎症マーカーの測定を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
・運動しない場合には、うつ症状が強くなっていました。
・中等度の運動を行った場合には、うつ症状と炎症マーカーの一部(TNF-α)を低下させていました。
・高強度インターバルトレーニング(HIT)では、うつ症状は軽減していましたが、ストレスと炎症マーカーの一部(IL-6)は上昇を示していました。
要約:『健常者を対象とした場合、中等度の運動習慣は、うつ症状や炎症レベルを低下させる可能性がある』
今回の結果は健常者を対象とした内容なので、あらゆるレベルのうつ状態で、運動をするべきである、ということではない点に注意が必要であると思われました。
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