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とても今さらなのですが、やはりすごくいい本なので紹介させてください。
ストレスに強いと思っていたスーパーサラリーマンの夫「ツレさん」がうつ病を発症し、漫画家の奥さんである「貂々さん」が戸惑いながら夫を支えていく、物語です。
もう一度読み返して、やっぱりしみじみしてしまいました。
ツレさんのつらさを貂々さんが受け止めるとき、オロオロしながらも、なんとか「軽さ」を保とうとする感じが良いです。そして、よけいに切ないです。
一話ずつが見開きの2ページ(短いときは1ページ)なので、調子が悪いときにも読めそうです。
絵柄も、セリフもソフトで、ガツンとくる感じではないので、トラウマを直接刺激されずに済みそうです。
例えばこんなセリフがあります。
調子が悪いのに無理をして会社に行く途中、道端に捨てられていたゴミ袋を見た「ツレさん」がこんなふうに思います。
「自分はきっとこのゴミより価値のない人間なんだ。ボク ここにゴミと一緒にしゃがんでいようかな……自分なんかよりゴミが会社に行ったほうがマシなんじゃないかな?」
悲しい場面ですが、絵がかわいくて、なんとなくソフトに伝わってきます。
所々で挿入される「ツレさん」自身のコラムも、うつの方の心を知るヒントになり、ありがたいと思いました。
うつでつらいとき、少しずつ何度も読み返して救われるような気持になる本だと思います。