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視力と認知能力の関係


目が悪くなると記憶力も悪くなると経験的に言われることがあります。

しかし、具体的にどのくらい視力と認知能力の低下が関連しているのかは良く分かっていません。

今回は白内障の手術をした場合、認知能力の低下の様子が変化するのかについて調べた論文をご紹介します。

白内障手術と加齢による認知能力低下について

イギリスの加齢変化に関する調査(English Longitudinal Study of Ageing :ELSA)で、2000人程度の白内障の方について調査が行われました。他の条件を同じになるようにして、白内障の手術をした場合とそうでない場合とで比較したところ、長期の経過で、手術を受けて視力の回復を図った方が認知能力低下の速度が半分程度になることが示されました。

機序として、感覚刺激自体が脳の機能を保つことや目が見えないことによる社会活動の制限が少なくなること、自尊心の改善につながることなどが想定されていますが、詳しいメカニズムまでは明らかではありません。

しかし、これまでの経験通りに、認知症を防ごうと思ったら視力を保つことは非常に有効であると言えそうです。

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