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兄や姉が発達障害である場合の影響について

更新日:2022年7月17日


発達障害の遺伝の可能性について良く質問されます。いわゆる遺伝性の疾患のように、典型的な遺伝の形式はとりませんが、遺伝的影響はあると言われています。

親がASD(自閉症スペクトラム障害)やADHD(注意欠陥多動障害)であっても、子どもにそれが必ず受け継がれるわけではありませんので、やはり発症は多因子(遺伝のみでなく環境などさまざまな要因が影響を与えること)であると思われます。

今回、直接的ではありませんが、この問いに対して参考になりそうな論文がありましたのでご紹介します。

Sibling Recurrence Risk and Cross-aggregation of Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder and Autism Spectrum Disorder

兄弟におけるADHDとASDの発症率への影響、あるいは異なる障害への交差的な影響

全体として、兄・姉がADHDやASDだったときの、弟・妹の発症率は大きく上昇していましたが、この調査ではADHDとASDの診断が、ADHD⇔ASDの形式でも影響するか調べています。

具体的に影響についていくつかのパターンに分けると以下のようになっていました。