「マインドフルネス」は瞑想等の訓練を通して、「今この瞬間に注意を向ける」心理療法として知られています。うつや不安に対しての治療効果が指摘されていますが、精神疾患のみではなく、がんの疼痛緩和に使われたり、身体疾患に対する応用が拡大しています。
今回は、糖尿病などの慢性疾患に対してマインドフルネスの効果を調べた論文があったのでご紹介します。
マインドフルネスの訓練が自己節制と健康的な行動変化を促す
136人の慢性疾患を持つ参加者について、マインドフルネスの訓練を重点的に行うプログラムと、マインドフルネスの導入だけは行うけれども訓練の継続性は低いものを行う集団に振り分け、効果を比較しました。
行動の望ましい方向への変容(より健康的な方向への行動開始)がどのくらい起こったかを指標としました。マインドフルネスを重点的に行うプログラムでは2倍以上、健康的な行動の変化が起こっていました。
マインドフルネスによる慢性疾患の管理改善への効果が、精神状態の安定による2次的効果であるのかは不明ですが、身体管理にとって望ましい行動を促す効果は大きいようです。
マインドフルネスは、海外で現在非常に人気があり、今後も応用が広がる可能性が高いと考えられます。診療の中でもエッセンスが取り入れられたら良いと感じました。