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鉛への暴露が精神疾患と関連する


以前から、鉛への暴露が子どもの発達を阻害し、低い知能指数や問題行動と関連するということが指摘されて来ました。

世界的にみて80年代以前には鉛への暴露がまだ多く、当時子どもだった世代が現在中年期になっており、精神状態への影響が懸念されています。

今回ご紹介するのはニュージーランドにおける子ども時代の鉛暴露と長期的な精神状態への影響をみた研究です。

子ども時代の鉛暴露と成人期のパーソナリティ特性・精神衛生との関連

1037人の子どもが調査の対象となりました。このうち579人が血中に鉛が検出され、その後フォローされました。一定期間ごとに面接の機会が設けられ、38歳になるまで精神状態の確認が行われました。

結果として、鉛の濃度が高いほど、内向性や思考障害に分類される精神疾患特性の傾向が見出されました。また、長期にわたるフォローで性格特性についても調査され、子ども時代の鉛濃度が高い場合ほど、適応に障害となる性格傾向(感じの良さや誠実性が低く、神経症的傾向が強い)が認められました。

以上のようなことから、鉛への暴露は子ども時代ばかりではなく、長期に渡って広範囲に精神状態に影響することが考えられました。

日本では概ね無鉛化がすすんでいるので、これ以上の拡大は少ないと思われますが、今後も様々な物質による影響を視野に入れていく必要を感じました。

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