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健康食は認知症を予防しない?


食事と認知症との関連については多くの研究があり、先日も認知機能の点から考えて、最適の食事についてお伝えしたばかりです。(記事:脳にとって最も良い食事とは?

その中では、地中海式食事法類似の内容をおすすめしたのですが、なかなか研究結果は一致しないようです。

中年期の食事と後年の認知症リスクの関連

平均年齢50.2歳の8225人についてその後、平均24.8年の追跡調査を行いました。

一定期間ごとに食生活についてAlternate Healthy Eating Index (AHEI)と呼ばれる指標を用いた健康度の調査を行っています。

この指標において健康的な食事とは、野菜、果実、全粒穀物、木の実、豆類、長鎖オメガ3脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の割合が多い食事を意味します。

また、不健康な食事(西洋的食事)とは、砂糖を含む飲料、果汁ジュース、揚げ物、赤身の挽肉、ケーキ、菓子類、トランス脂肪酸、塩分の摂取が多い食事を意味します。

このように定期的な評価を行って、長期にわたる大規模な研究を行い、多くの影響因子について調整したところ、実は中年期の健康的な食事は、後年の認知機能維持にあまり影響を持たないという結果になってしまいました。

その一方でうつ症状の発症を抑える影響は大きく出ており、健康的な食事がもたらす影響は精神状態全体にとっては、やはり小さくないようです。

コメントとして、上記のような指標を用いて食事内容を評価することや認知症の発症をデータベース上の記録で判断することに関する困難さにも触れられており、上のような結果によって、食事内容は認知機能に影響を持たないとは言えないと考えられます。

身体や精神の健康を考えることは、終わりのない過程であり、最終的な結論というものは得にくいかもしれません。現時点では、若年からの健康食の有効性を信じて、少しずつ「良い(と言われている)こと」を積み重ねていくしかないように思われました。

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